ノートパソコンを家や職場で使う時に、電源をずっと繋げっぱなしにしている人は多いですよね。
ノートパソコンは過充電を防ぐ機能がついているので、短期間なら問題ありません。
でも、長期間この状態が続くとバッテリーの寿命が縮むかもしれません。
ここでは、ずっと電源を繋いでノートパソコンを使うことの影響について説明します。
常に電源をつないでいる時のノートパソコンへの影響
電源を常につなぐことによるバッテリーへの負担
ノートパソコンをずっと電源につないでおくと、バッテリーの使用による劣化は少なくなります。
けれども、この使い方はバッテリーを満充電の状態に保ち続けるため、使っていなくてもバッテリーが劣化する原因となります。
充電と放電を繰り返すこともバッテリー劣化の一因ですが、満充電の状態をずっと続けることもまた劣化を早めることになります。
保存中のバッテリー劣化
使わずにただ保存しておくだけでも、バッテリーは徐々に劣化します。
これを「保存劣化」と呼びます。
特に、40度を超える高温の環境で、完全に充電された状態での保管は、劣化を早める原因となります。
そして、保存時の温度が高いほど、また充電レベルが高いほど、バッテリーの満充電容量が減少するとされています。
サイクル劣化(使用による劣化)
サイクル劣化とは、フル充電サイクルの繰り返しによってバッテリーが劣化することです。
充電と放電のサイクルが増えるほど、劣化は進みます。
一般的に、充電サイクルが500回を超えると、バッテリーの容量は元の80%程度に減少するとされています。
ただし、これは製品によって異なるため、使用するノートパソコンの仕様を確認することが重要です(一部の製品では1,000回以上の充電サイクルを持つものもあります)。
適切な放電深度の維持とバッテリー寿命
バッテリー寿命に大きな影響を与えるのが、放電深度(DoD)です。
放電深度が低い、つまり放電量が少ないほど、バッテリーは長持ちします。
理想的には、バッテリーを完全に放電させず、残量が25%に達したら75%まで充電することで、放電深度を50%に保つのが良いとされています。
常時電源に接続しても安心!80%充電でバッテリー寿命を延ばす
リチウムイオンバッテリーは、繰り返しの満充電や過放電によって劣化が加速します。
そのため、バッテリーを常に満充電状態に保つと、寿命が短くなる可能性があります。
また、過放電もバッテリー故障の原因になることがあります。
バッテリー寿命を最大限に延ばすためには、適切な充電レベルを維持することが重要です。
バッテリー寿命を最大限に延ばす方法
ノートパソコンのバッテリー寿命をできるだけ長く保つための一番の方法は、充電レベルを80%に保つことです。
これにより、満充電や過放電を避けつつ、必要な時には十分なバッテリー使用時間を確保できます(例えば長距離の移動中などは100%まで充電することも可能です)。
以下に、バッテリーの寿命を伸ばすための主なポイントをまとめました。
- 充電は80%までとする(80%に達したら充電を止める)
- 高温の環境を避ける
これらのポイントを実践することで、バッテリーの寿命を伸ばすことが期待できます。
多くのパソコンメーカーは、これらの設定を簡単にできるツールを提供していますので、利用してみると良いでしょう。
また、バッテリーを長期間使わない場合には、50%程度の充電を推奨します。
満充電の状態では劣化が進みやすく、完全に放電してしまうとバッテリーが故障するリスクがあります。
充電制限を設定できるツール
Lenovo、Dell、富士通といったパソコンメーカーでは、バッテリー充電量を最適に保つツールを提供しているところも多いです。
また、Appleシリコン(M1、M2チップなど)を搭載したMacBookでは、「バッテリー充電の最適化」機能が利用できます。
これは日常の使用パターンに基づいて充電量を自動的に調整する機能で、設定方法は「システム設定」>「バッテリー」>「バッテリーの状態」>「バッテリー充電の最適化」から行えます。
こうしたツールを活用することで、バッテリーの長寿命化が図られます。
少しの手間で、いつまでも快適パソコン環境をつくっていきましょう。